2008年7月7日月曜日

オープンとクローズドと使い分けるGoogle

更新中断している間にあったGoogle関連の話題を中心に。

Googleはオープンな企業だと思われているけれども、実際には技術上も企業上も重要な部分はクローズドに保った非常にしたたかな企業だと言えます。

たとえば、携帯プラットフォームAndroidやOpenSocialなどの活動をみていると、Googleはすべてオープンな企業のように見えますが、実際には検索アルゴリズムやサーバの仕組み等はけっしてオープンにしていません。最近でこそ論文等を通していろいろ内部がわかりつつありますが、自社のCompetencyとなる部分については情報箝口令をひいていると言ってよいでしょう。
逆に、携帯やSNSなど遅れて参入したエリアについては徹底してオープンにし、既存企業にプレッシャーを与えています。

そういう意味では、逆にGoogleに攻め返す最良の手段は、オープンな検索エンジンなのかもしれません。一定のルールで外部からも自由にアルゴリズムをくめるような検索エンジンを出せばGoogleをぎゃふんと言わせられるかもしれませんね。

まずは、最近、少しずつGoogleの内側が公開されていっている点から。
1ヶ月前の記事ですが、Googleのデータセンター内部についての記事がありました。

CNET:グーグルデータセンターの内側--明らかにされた独自性

非常に興味深い内容です。

Tech-ON:Google社の基盤技術「MapReduce」についてエンジニアに聞く

では、Hadoopの仕組みの一つであるMapReduceについてのインタビューが出ています。

また、以前書いた「巨大システムでのプログラム修正(Googleでは年に450回だそうです!)」では、Googleの検索アルゴリズムがどうメンテナンスされているかが明らかにされていましたが、

CNET:検索サイトの舞台裏--グーグル幹部が明かす改善手法

という記事では、ユーザによって少しずつ見せ方を変えて、どれが一番ユーザにとってよいかをテストしながら運用していく方法が紹介されています。

Google内部事情とは違いますが、Google Geers改めGeersに関して、単純にオフラインでもWebアプリケーションが操作できるようになっただけではなくて、ブラウザが新たなOSになっていく(すべてがブラウザ上で動く)という状況を見据えての戦略的展開ではないかという指摘がありました。
とくに新標準であるHTML5を、ブラウザが実装する前にGeersで提供してしまって、(ブラウザを壱から開発することなく)そのエリアの先鞭を付けようというものです。

TechCrunch:新プラットフォーム戦争に備えよ。Google GearsはMicrosoftの利益を直撃する

一方で、Googleのオープンソース戦略には非常にきわどいものがあるという指摘もありました。

CNET:グーグルのオープンソースは綱渡り--クリス・ディボナ氏インタビュー

Googleはオープンソースの恩恵をたくさん受けているのに、オープンソース業界への見返りはほとんど行っていないという批判です。
オープン携帯プラットフォームAndroidで採用されているJVMも標準ではなく独自なものだという批判もありました。


また、企業運営という意味でも、Googleは種類株の仕組みで創業者3名に優先的に議決権を割り当てて50%以上を確保しています。つまり、市場という観点からみてもGoogleは、極端な言い方をすれば、公開(オープン)企業よりもオーナー企業の方に近いとさえ言えます。

日本Google社長の村上さんも、「株主より企業理念を優先する」とはっきり言っていて明快です。

池田信夫blog:グーグル:迷い込んだ未来

つまり、いかに見た目上オープンに見えるようにしつつ、自社に有利なところはクローズドにいくかということに関して、非常にしたたかに行動していることがよくわかります。
当然のことですが、何でもかんでもオープンにしたり、世の中の流れに乗っかってしまったりする必要はないということですね。

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