最近、池田信夫さんと磯崎哲也さんのblogで、投資と融資の違いの議論があって参考になったので紹介しておきます。
isologue:「ITゼネコン構造がイノベーションを阻む」(池田氏、月刊アスキー記事)について
池田信夫blog:いい加減さの最適化
isologue: 「ベンチャー企業」のための資金調達入門
池田信夫blog:ウェブの食物連鎖
池田信夫blog:「中抜き」の経済学
isologue:投資と融資の違い
isologue:ベンチャー企業とMM理論と上限金利規制
経済学的には負債(融資)と株式(投資)は同じでどちらもInvestment(投資)だと。
会計的にも、資金を出す側からすると融資も投資も同じく投資(固定資産)に分類される。
ただし、資金を調達する側からは融資は負債に投資は資本に分類される。
では、違いは何かというと、
- 負債による金利には税金がかからないが、株式の配当には税金がかかる
- 破産すると、負債の場合は債権者が残りの資産の権利を得るが、株式の場合はパーになってしまう
- 負債の場合は返済さえすれば比較的自由に経営できるが、株式の場合はつねに投資家の眼にさらされる
- 日本では上限金利規制があるために、資金を出す側の儲けに上限があるが、株式の場合は融資した企業の企業価値(株価)があがっただけ儲けとなる
議論はベンチャーのことが中心だったためその辺がよくわかりませんでした。
ただ、企業に関する情報が希少な時代には、銀行が投資家の資金を仲介して企業に投資(融資)する方がよかったが、本来であれば直接投資家がリスクをとる形が望ましいというのは、なるほどと思いました。
問題は、日本人はアングロ=サクソン系と比べるとはるかにリスクをとらない国民性を持っているようにも思いますので、それをふまえた上でどう中抜きに移行していくかなのかもしれません。
直感に過ぎませんが、リスクが無いところにイノベーションも成長も無いように思えます。そういう意味では、20世紀末の日本の経済成長の裏では、見えないところでリスクをとっていたのかもしれません。ただ、国民に見えてなかっただけで。
今後もイノベーションが起こっていくためには、なんらかのかたちでリスクをとる必要があると思われます。そのとり方が、グローバリズム共通のものとなるのか新しい日本的なものとなるのかどうなのでしょうか。
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