大西 宏のマーケティング・エッセンス:リテライゼーションという新潮流
IT業界にはコンシューマライゼーションという大きな流れがありますが、小売りの世界ではリテライゼーション(Retailization)という大きな流れがあるという記事です。要するに、PB(Private Brand)のことですが。
いずれもメーカー主導から消費者主導という大きな流れに位置づけられる一方で、相違点もいろいろあるように思えます。
今回は、備忘録としてこれだけ。
2009年4月11日土曜日
コンシューマライゼーションとリテライゼーション
2008年5月24日土曜日
エンタープライズとコンシューマライゼーション
ITPro:さよならエンタープライズ
少々扇動的なタイトルですが、要するにコンシューマライゼーションの話です。
当たり前ですが、ITに関して、別にエンタープライズ領域が無くなるわけでもないし、エンタープライズの分野にイノベーションがなくなるわけでもないです。ただ、コンシューマ領域でのイノベーションが増えてきているのは事実です。
「コンシューマライゼーション(消費者先導型IT)」にも書いたように、構造的なデータを扱う業務の自動化という意味でのITが一定の成熟段階に来ている一方で、ITが非構造化データを効率的に扱えるイノベーションがたくさん起こって知的生産性の分野での変化速度がずっと速くなっています。
とはいうものの、先日の銀行システム統合に見られるように、"ベスト・エフォート"ではすましてもらえないエンタープライズ分野がまだまだあるのも事実です。
エンタープライズとコンシューマライゼーション的流れには、補い合う部分や融合できる部分も多数あり、両方とも重要なものだと考えています。どっちかだけあればいいというものではなく。
"エンタープライズ"でミスが起きると騒ぎ立てる記者が、「エンタープライズは終わった」かのような記事を書くのはどうなんだろうとちょっと思いました。日経BPなんて今までエンタープライズで食ってきたのにそこを否定すると新興IT系メディアと比べてやってけるのかな?っておおきなお世話ですが。"IT技術"の捉え方が狭すぎる気がします。
2008年5月19日月曜日
エンタープライズ・クラウド・コンピューティング:ユーティリティ+コンシューマライゼーション
Google App Engineの発表とSalesForce.comとの提携が相次いで行われたことから、クラウド・コンピューティングがエンタープライズ分野にも進出し、クラウド vs エンタープライズかのような構図で語られることもあるようです。
ITPro:「あなたのビジネスをクラウドへ」,SalesforceとGoogleがMS/IBMに宣戦布告
ITMedia:Googleのクラウドユートピアは企業ニーズに合致せず——MuleSourceのCEOが指摘
クラウド・コンピューティングが企業でも使われようとしているのは、1つにはコンシューマライゼーションの流れの一環としてあるように思います。
また、もともとエンタープライズでは、ユーティリティー・コンピューティングというIBMやSun、Oracleなどが提唱していたITのアウトソーシングの流れもあり、クラウド・コンピューティングはこの流れの1つとも言えるかもしれません。
そもそも、IT業界にいる人にとっては、クラウド・コンピューティングはユーティリティー・コンピューティングの焼き直しのようにも思えます。
上のITProの記事の中でGoogleのEric Schmidt氏がこの2つの違いを指摘しています。
「企業向けのクラウド・コンピューティング」は,既存ITベンダーが語るユーティリティ・コンピューティングとはいくつかの面で異なるとも主張する。「1 つめは,ブロードバンド・ネットワークが前提になっていること。エンドユーザーが無線LANを使っていつでもどこでも情報を使えるのが,我々のクラウド・コンピューティングだ。2つめは,GoogleとSalesforceがそうであるように,アプリケーションを簡単に融合できること。3つめは,現実のビジネスに今すぐ適用できる点である」
要するに、自分なりにまとめると、ユーティリティー・コンピューティングは、
- 必ずしもインターネットが前提でない(クローズドなネットワークによるサービスとしてもありうる)
- ユーザ企業ごとに切り離されている
- カスタム開発された企業内アプリケーションを企業外のシステムに配置して利用することを想定されている
- インターネットによるオープンなネットワーク
- マッシュアップ
- 部品の再利用による迅速な開発
シュミット氏自身が意識しているとおり、クラウド・コンピューティングはユーティリティ・コンピューティングとは異なるものの、その流れにあるものだとは言えると思います。
今までITベンダが理想像を唱えるだけでほとんど実現できていなかったユーティリティ・コンピューティングが、コンシューマライゼーションの流れによって企業の中にも取り込まれるようになってきたと言えるのかもしれません。
ITPro:IBM、グーグルが創る次世代IT、クラウド・コンピューティングの正体(前編)
ITPro:IBM、グーグルが創る次世代IT、クラウド・コンピューティングの正体(後編)
という解説記事もありました。
2006年9月24日日曜日
コンシューマライゼーション(消費者先導型IT)
"コンシューマライゼーション(消費者先導型IT)"という言葉が、ガートナーから提唱されています。
「会社のPC」は無くなる
ここでは、企業よりも個人の方が最新の機器を持っていることが多くなってきているので、企業は補助金を出す形でPCは社員に自前で用意させた方がよい、という議論が紹介されています。
セキュリティはどうなるんだ?とかいう話もありますが、ここで話題に上げられているPCはおそらく、会社に対して責任をもつ知的労働者が使うPCということに限定されているんだと思います。
なので、社員が故意に盗み出すというセキュリティについてはとくに考えられていないのだと。
それに関連して、ガートナーではないところから、Web2.0についてもコンシューマライゼーションが指摘されています。
Web 2.0の流れは「消費者から企業へ」--進む「IT技術のコンシューマー化」
コンシューマライゼーションはなにも、今から始まったことではなくて、Windows、Java、そしてインターネットといった現在企業でも一般的に使われている技術はそもそもはコンシューマー向けのものでした(とも言い切れない部分はもちろんありますが)。
個人的には、今のITは実は2種類の別々のものから成り立っているんだと思っています。
1つは古くから企業の中で業務の自動化に使われているIT技術です。
もう1つは個人(コンシューマ)が個人で楽しんだり個人の生産性をあげたりするために使ってきているIT技術です。
これら2つのIT技術は共通に使える部分もありますが、すべてが同じ仕組みで実現できるわけでもないと考えています。
コンシューマライゼーションは確実に起こっていますが、それは古くからの業務の自動化というITではなく、企業の知的労働者が個人やチームの生産性をあげるためのITに対して起こっているのだと思います。
つまり、2つめのIT技術に関しては、コンシューマライゼーションが積極的に起こっています。
もちろん、1つめの業務の自動化というITの分野でもJavaやWindows、IP通信の活用などコンシューマライゼーションは起こっています。ただし、これは、業務の機能要件から起こっているのではなく、技術者の確保やメンテナンス・コストの低減、機器コストの低減という観点からのコンシューマライゼーションです。ある意味、間接的なコンシューマライゼーションなのです。
今後も、コンシューマライゼーションは進んでいくと思います。ただし、適用範囲と時期を誤ると不幸なことになると思います。
知的労働者である社員の生産性を高めるためのコンシューマライゼーションはどんどん進めるべきでしょう。
他方で、業務の自動化という領域においては、急速なコンシューマライゼーションの適用は、要件の無いところにむりやり技術を押し込めようとするあまり褒められたものではないものになると思います。この分野についても、いずれコンシューマライゼーションは進んでいくと思いますが、それはあくまでもコスト削減という観点となるでしょう。ですので、拙速は不幸なシステムを呼び込むだけです。