2008年5月2日金曜日

審議会の乱立

少し前ですが、知財政策関連の各省庁の審議会がまとめられているエントリがあったので紹介します。

無名の一知財政策ウォッチャーの独言:第89回:日本の奇怪な審議会(有識者会議)システム

まったくバカバカしい話ですが、似たような審議会が省庁ごとに山ほど作られています。審議会を作ることはその省庁にも一家言あるぞという意思表明であり既得権限の保護になっています。さらには、台本のある名ばかりの審議会を通してその政策に関するイニシアティブをとることで、既得権益を最大化しようとする各省庁の涙ぐましい努力の結晶とも言えます。

本来は行政を検討する会であるはずですが、このエントリでも指摘されている通り審議会の結果から法律案が提出されたりして立法まで踏み込んだりしているばかりか、司法で判断すべき内容についても審議会を通しての立法行為によって判断されたりもしています。
各種審議会は、官僚が、権力を議員や裁判官から取り上げるための重要な機関だとさえ言えるかもしれません。

ただし、今までは、こうした審議会システムが制度の効率的な形成に大きな役割を果たしてきたという側面もあるかと思います。
すべてを司法の判断に任せていては膨大な費用と時間がかかりますし、なんの意見調整もせずにすべてを国会に任せることも時間の浪費につながりがちです。
(前にも触れた『裁判と社会』でも、日本の司法が行政判断を下すことが少ない要因としてこの点に触れられていました。)

とはいうものの、知財政策関連の審議会の数とその活動内容を見ていると、社会インフラが一定程度整備された現代において、かつて効率的だった審議会システムが非常に非効率なものになってしまっているような気がしてなりません。

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