2008年5月16日金曜日

メディアには人気投票ではない集合知が重要

TechCrunch:NewsCred:お気に入りブログの信用度はいかに?

記事を投票で評価するという今までもあったようなサービスですが、この紹介記事に、こうした"クラウド"による記事評価の難しさが指摘されています。

オンラインのブログにも主流メディアにも、根拠のない噂や偏向記事や情報源不明の事実が山ほどある。しかし、黒か白かの投票システムが、著者の評判を確立する最良の方法だとは思えない。そんなシステムはすぐに人気投票と大差ないものへと落ちぶれてしまうだろう。NewsCredが成功するためには、事実に基づく議論を促すような頑強な評価システムを確立する必要がある。そうでなければ、それ自体が大した信用を得られないだろう。

TechCrunchは、元記者も参加しているため、メディアであることの困難さを十分理解されているように思えます。それでも記事の内容を通してクラウドの価値を十分評価していることは伝わってきます。

単なる人気投票では"集合知"にならない。それ以上の意見集約の仕組みがあってはじめて"集合知"になりうるという正しい指摘に思います。

メディアは、少数派を無視することになってしまう多数決(人気投票)による民主主義の欠陥をうまく修正していく動力でもあるべきで、それであってこそのメディアの価値なのでしょう。したがって、"集合知"とメディアはあるときは見方になりあるときは敵になるかもしれない。

それに対して、はてブはあまりにも素朴すぎるように思えます。

CNET:今夏に新はてなブックマーク登場--その進化と情熱

メディアを目指すと言いながら、その発信内容に対するあまりにもの無責任さ。それがネットのパワーだということなのでしょうが、あまりにも内向き(ネットのことしか見ていない)のパワーで素朴ナイーブすぎるように感じてしまいます。
もちろん、はてブ自体はよいサービスだと思うのですが。

また別に書きたい、最近の小倉秀夫さんによる実名/匿名議論で匿名支持の方々の意見を読んでいても、これまでのネットの価値を純朴に信じられていて、もう一段階ネットがブレークスルーにはそうした素朴さが障壁になっている気がしてなりません。

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