今日はエントリをいくつか。
@IT:Windows搭載基板がアーケードゲーム業界を席巻
ゲームセンターには久しく行っていませんが、アーケードゲーム基盤にも、PCアーキテクチャと汎用OSが進出しているのですね。
開発生産性や保守性、他プラットフォームへの移植容易性などが評価されているようです。
今まで、スキルのある人間が密に連携して開発されてきたゲームの世界も、いよいよ部品の組み合わせで製造していくモジュラー型アーキテクチャが進行していくのでしょうか。
興味深いです。
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「モジュラー型アーキテクチャ」については、機会を改めて書きたいと思いますが、以下に若干思うところを書きます。
世の中の工業製品は、そのアーキテクチャによって、モジュラー型とインテグラル型に分類できるとされます。そして、一般的に、製品コスト削減という観点から、インテグラル型からモジュラー型に移行しがちです。コンピュータ・ハードウェア業界がその典型です(メインフレームからPCへ)。これに反するのが自動車業界でインテグラル型のままです。IT業界ではCPUはインテルがかなり独占していますが、自動車業界ではエンジンは各社で開発します。
詳しくは、
・経済産業研究所:モジュラー型製品における日本企業の競争力――中国情報家電企業における組み合わせ能力の限界
・ITPro:なぜ「IT産業のトヨタ」は出ないのか
・その他、藤本隆宏さんの書籍(たとえば、『ものづくり現場発の産業論』のメモ)
IT業界のとくにソフトウェアについては、戦略論の方々はモジュラー型と分類されるのですが、ITの現場の人間にはどうもそれがしっくりこず、インテグラル型なんじゃないか?という意見の人も多いようです。
少なくとも、レイヤーという観点で見ると、ハードウェア-ネットワーク-OS-ミドルウェアといったように、かなりモジュラー型になっていますし、汎用 OSについては、その中も、デバドラ等ハードウェア処理部分、ネットワーク・スタック、プロセス処理部分、その他便利な部品モジュール群といったように、かなりモジュラー型になっていると言えると思います。
ただし、問題は、とはいうものの、いざ組み合わせるときにねじをはめるようにはうまく動かないことが多く、その印象からインテグラル型じゃないか?と思えてくるということになります。
レイヤーは、いわば縦方向のアーキテクチャですが、横方向のつながり(アーキテクチャ)についても、DCOMやCORBAなどある程度モジュラー化の取り組みはありますし、今流行のSOAもまた、ソフトウェアの横方向のモジュラー化の取り組みといえます。
ところが、横方向のアーキテクチャについても、ソフトウェアの場合、つながりの組み合わせパターンがほぼ無限大あり、物理的な物と違って完全なモジュラー化が難しいという側面があります。
したがって、ここでもやはり、インテグラル型なんじゃないか?という思いが出てくるわけです。
その他、藤本さんによれば、製品アーキテクチャのみならず、開発アーキテクチャや製造アーキテクチャにもモジュラー型とインテグラル型があるということです。
その辺も含めて別の機会に整理できればと思います。
2006年12月15日金曜日
ゲーム業界にもモジュラー化の波
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