2006年9月14日木曜日

YouTubeとテレビ局と著作権

YouTubeは、私的ビデオをみんなで共有するためのサービスとして発足したものと認識しています。

最近では、録画されたTV番組などが多数アップロードされ人気コンテンツとなっているようです。
これは、今の著作権法ではあきらかに違反行為となります。

他方で、そうしたコンテンツに人気が出るということは、あきらかにその需要があるということです。一般人は、そうした過去のTV番組をいつでも自由に見直せることを求めています。

まずは、そうした需要にこたえられていないTV局の怠慢を指摘できるのかもしれません。
あるいは、再配布に当たっての著作権の確認がたいへんでTV局がコストメリットを見出せていないというのが実際で、そういう著作権のあり方を非難できるのかもしれません。

ここにCreative Commonsを適用するとどうなるでしょうか?

やはり、YouTubeに録画TV番組をアップロードする人は、各コンテンツに映っているものの著作権をきちんと確認しないとCreative Commons違反にもなります。

Creative CommonsのFAQより。
ビデオ作品をライセンスするには誰の権利に配慮する必要がありますか?
オーディオ作品をライセンスするには誰の権利に配慮する必要がありますか?

Creative Commonsは賢明なライセンスなので、きちんと著作権についても考えられています。

けっきょく、人が作ったものを、許諾もクレジットもなしに勝手に"公"に再配布するという行為は、現状のどんなライセンスにも法律にも違反した行為となります。

しかも、P2PのWinnyが著作権違反幇助なら、YouTubeもそう判断される可能性は十分あるということになってしまいます。

でも、やっぱり過去のTV番組をいつでも自由に見れるとすごく便利ですね。

これを実現するためには、TV局が番組制作時に、そうした再配布についても契約に盛り込み、自ら再配布するしかないのかもしれません。
最近、東京MXテレビが自社の番組の録画をYouTubeにアップロードしたというニュースがありました。

日本のテレビ局がYouTubeで番組配信、その狙いは

インフラはYouTubeでもなんでもいいと思いますが、TV局自らがこういう風に動いてくれることが、過去のTV番組を見たいという需要にこたえるもっとも早い道だと思われます。

ところで、こうした過去の録画番組という人気コンテンツについて考えるにつけ、やっぱりTV局の作るコンテンツはそれなりに質が高くおもしろいのだろう、ということを思います。だからこそ人気も出るのだろう、と。

これに関連して、

集合知を独自に検索して真実を導く、kizasi

という記事に、「マスメディア報道に徹底的に引っ張られるブロガーたち」という指摘がありました。

極論を言ってしまえば、ブログにしろYouTubeにしろ、草の根だとかロングテールだとか言っても、やっぱりマスメディアに引っ張られてしまうのか、マスメディアのコンテンツのコピーに過ぎないのか、ということを指摘できるのかもしれません。

最近の新しいWebの動きを賞賛する向きの中には、ブログのようなものを取り上げて、マスメディアはもう古い、影響力はなくなっていく、というようなことを言う人もいます。
たしかにそういう傾向もあります。
が、やっぱりお金をかけて作ったコンテンツは質が高いしおもしろい。インターネットの世界では、そのコピーしかできてないのに、マスメディアのコンテンツ力におんぶに抱っこ状態なのに、マスメディアは古いとか言っているとしたら皮肉なことです。
もちろん、それはごく一部の現象だということは重々承知であえて挑発的に書いていますが。

やっぱり、コンテンツによっては、その文化的発展や促進のためにもお金をかけて作るべきものがあり、そうした創作物に対して対価を支払うというのは当然な行いな気もします。

せっかく苦労して作ったもののただ乗り、これは法律的にも道義的にも許されるものではありません。

そう考えてしまうのは、自分が古いからなのでしょうか。

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