2006年9月17日日曜日

情報の猛烈な再活用を行うWeb2.0

メディア・パブで、Web2.0企業の一覧が紹介されていました。

米VCが出資しているWeb2.0企業とは,便利な一覧表が

リストは、あくまで紹介されているベンチャー・キャピタルが出資しているものに限られますが。
ここに含まれていないものでWeb2.0企業といえば、もちろんGoogleとか、オンライン・アプリケーション・サービス系のZimbraや37Signalsとか、あとFlickrも。
そして、当然日本企業は含まれていません。

個人的には、このリストの4つの分類方法に注目しました。

* Audio, Photo and Video ・・・13社
* Blogging, RSS, Webtops, Wiki ・・・8社
* Search and Classifieds ・・・20社
* Social Networking and Bookmarking ・・・19社

Audio、Photo and Videoというコンテンツ内容が1つの分類項目とされています。そういう意味では、あと、"地図"コンテンツもWeb2.0的なものとしては重要ですかね。
また、先ほどあげた、カレンダーやToDo、情報共有からスプレッドシートなどのオフィスアプリケーションなどをオンラインで提供するサービスもWeb2.0的なものとしてあります。

まとめると、

* コンテンツ系: 音楽、写真、映像、地図
* アプリケーション系: カレンダー、ToDo、情報共有、Wiki、オフィス
* ブログ系: ブログ、RSS
* 検索系: 検索、分類
* ソーシャル系(?): ソーシャル・ネットワーキング、ソーシャル・ブックマーク

いずれも基底に流れるのは、"情報の再活用"という概念だと考えています。それも猛烈な再活用です。

"情報の再活用"のためには、いくつかステップがあって、

1. 情報の掘り出し:人間の脳の中や閉じた環境に眠っている情報を引っ張り出す
2. 情報の捜索:膨大な情報の海から必要な情報を取り出せるようにする
3. 情報の活性化:情報をより使いやすくアクセスしやすい形にする

などが考えられます。

ブログやコンテンツ系は1情報の掘り出しに、検索系、ソーシャル系は2情報の捜索に、コンテンツ系やアプリケーション系、RSSは3情報の活性化にあてはまります。

Web2.0の時代では、情報を搾り出せるだけ搾り出して、それをいかに利用しやすくするか、というところに焦点が当たっているようです。Mash-Upしかり、Folksonomyしかり、SEO(検索エンジン最適化)しかり。



こうした猛スピードで情報があふれ出す世界において気をつけないことはなんでしょうか?広大な情報の大洋を目の前にしてどうすればいいのでしょうか?

* 情報に流されない: 漂流しない
・・・簡単に情報に影響されて信用してしまわない
* 情報に埋もれない: 溺れない
・・・情報が多すぎて何が何か分からず麻痺してしまわない
* 情報を無視しない: 大海を目の前に気を失わない、諦めない
・・・情報が多すぎて見ないようにしてしまわない

そのためには、

* 目的地を決める
・・・何のために情報を得るのか?
* 長期的展望を持つ
・・・どうやったらその目的に到達できるのか(ペース配分など)?目的に達した状態はどういうものか?
* 危険を避ける
・・・情報をいかにフィルタリングし、振り分けるか?とくに危険な情報をいかに見抜くか
* 自制心と倫理観をもつ
・・・大事なのは大海の向こうにある宝物ではなく、最終的には自分や仲間の命である

などが考えられます。

要は"情報リテラシー"なのですが、この膨大な情報の海では、いかに効率的に正確な情報を見抜くかというだけでなく、もう少し長期的な視点での情報への接し方が求められている気がします。

後半は関係のない話になってしまいましたが、ものづくりの世界では、短期的な効率性だけでなく長期的展望(たとえば環境問題)も重要になってきています。情報産業においても、その辺まで踏み込んだ問題設定や技術革新がこれから盛んになっていくかもしれませんね。



ちなみに、
Web2.0のティム・オライリーによる定義は、
Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル

Web2.0企業をリストするサイトとしてこういうところもあります。
Go2Web20.net

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