前回(「情報の猛烈な再活用を行うWeb2.0」)、Web2.0の話から情報リテラシーの話へと脱線してしまいました。
Web2.0時代の情報リテラシーについてのキーワードとして、"アテンション"もしくは"アテンション・エコノミー"というものがあります。
アテンション・エコノミーについては、Accentureの
Attention,please!「アテンション・エコノミー」の時代へ。
『The Attention Economy』の著者、Thomas H. DavenportとJohn C. Beckに聞く
あるいは、
ktdiskさんのCasual Thoughtsより
『アテンション!』にどれだけアテンションをはらうか?
Impress R&DのWeb担から
アテンションエコノミーとファインダビリティってなんだ?
が参考になります。
簡単に言うと、
情報は広くあまねく行き渡り、膨大な量を参照できるようになった。その代わりに、人々を行動へと促すような情報(=アテンション)が相対的に欠乏している。情報はいつまでもそこに残り続けるが、アテンションはつねに消費されていく。これからの時代は、いかにこうしたアテンションを管理していくかが重要になる。
というものです。
高度情報消費社会において、消費されるのは情報そのものではなくアテンションだというのが、アテンション・エコノミーにおいての主張ポイントです。
情報氾濫時代の情報リテラシーということと言っている内容は似ているのですが、そうした状態や文脈を、消費のされ方とあわせて"アテンション・エコノミー"などとうまく言い当てる形で概念化しているのがおもしろいですね。
ものごとのあり方をどう概念化するか、どうキーワードとして適切なものを生み出すかが、ものづくりにおいてのアイディア作りの重要なポイントの1つです。
この辺が、日本人があまり得意でない気はします。
日本からも、パラダイム変換を起こすような"概念(コンセプト)"を作り出していきたいですね。
で、さっそくこれを金融商品に絡めてビジネスにしていこうという動きがあるようです。
TechCrunchに、
シカゴ商品取引所、アテンション先物取引サービスのROOTに出資
という記事が紹介されていました。
アテンションを先物取引として商品化し、アテンションを提供する個人へとピンポイントに広告を打ちたい企業と、割引などのメリットがあるのであればアテンションを企業に提供してよいという個人の仲介となるようなイメージのようです。
実際に先物市場となるためにはもう少し仕組みや信用などが必要で時間がかかりそうですし、ほんとうに先物取引化できるのかはわかりませんが、アテンションの活用のされ方としては理解できます。
こういうビジネス・アイディアが出てくるのも、"アテンション・エコノミー"という概念化がうまくいった証拠かもしれません。
番外編として、同じくTechCrunchに、
リアルタイムで注目データを追うTouchstoneのAttention Data
として、個人がアテンションを管理するためのツール(touchstone)が紹介されていたのでそれをメモとして残して起きます。
2006年9月18日月曜日
アテンション・エコノミーという概念化
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