"コンシューマライゼーション(消費者先導型IT)"という言葉が、ガートナーから提唱されています。
「会社のPC」は無くなる
ここでは、企業よりも個人の方が最新の機器を持っていることが多くなってきているので、企業は補助金を出す形でPCは社員に自前で用意させた方がよい、という議論が紹介されています。
セキュリティはどうなるんだ?とかいう話もありますが、ここで話題に上げられているPCはおそらく、会社に対して責任をもつ知的労働者が使うPCということに限定されているんだと思います。
なので、社員が故意に盗み出すというセキュリティについてはとくに考えられていないのだと。
それに関連して、ガートナーではないところから、Web2.0についてもコンシューマライゼーションが指摘されています。
Web 2.0の流れは「消費者から企業へ」--進む「IT技術のコンシューマー化」
コンシューマライゼーションはなにも、今から始まったことではなくて、Windows、Java、そしてインターネットといった現在企業でも一般的に使われている技術はそもそもはコンシューマー向けのものでした(とも言い切れない部分はもちろんありますが)。
個人的には、今のITは実は2種類の別々のものから成り立っているんだと思っています。
1つは古くから企業の中で業務の自動化に使われているIT技術です。
もう1つは個人(コンシューマ)が個人で楽しんだり個人の生産性をあげたりするために使ってきているIT技術です。
これら2つのIT技術は共通に使える部分もありますが、すべてが同じ仕組みで実現できるわけでもないと考えています。
コンシューマライゼーションは確実に起こっていますが、それは古くからの業務の自動化というITではなく、企業の知的労働者が個人やチームの生産性をあげるためのITに対して起こっているのだと思います。
つまり、2つめのIT技術に関しては、コンシューマライゼーションが積極的に起こっています。
もちろん、1つめの業務の自動化というITの分野でもJavaやWindows、IP通信の活用などコンシューマライゼーションは起こっています。ただし、これは、業務の機能要件から起こっているのではなく、技術者の確保やメンテナンス・コストの低減、機器コストの低減という観点からのコンシューマライゼーションです。ある意味、間接的なコンシューマライゼーションなのです。
今後も、コンシューマライゼーションは進んでいくと思います。ただし、適用範囲と時期を誤ると不幸なことになると思います。
知的労働者である社員の生産性を高めるためのコンシューマライゼーションはどんどん進めるべきでしょう。
他方で、業務の自動化という領域においては、急速なコンシューマライゼーションの適用は、要件の無いところにむりやり技術を押し込めようとするあまり褒められたものではないものになると思います。この分野についても、いずれコンシューマライゼーションは進んでいくと思いますが、それはあくまでもコスト削減という観点となるでしょう。ですので、拙速は不幸なシステムを呼び込むだけです。
2006年9月24日日曜日
コンシューマライゼーション(消費者先導型IT)
ラベル:
Web2.0,
コンシューマライゼーション
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