2006年10月30日月曜日

Googleは法を骨抜きにするか、新しい正義をうちたてるか

"We’re Google. So Sue Us."(俺たちはグーグルだ、訴えてみろ)という過激なタイトルのNewYork Timesの記事が話題になっています。

『ウェブ進化論』の梅田望夫さんのブログに概要が引用されています。
[英語で読むITトレンド] 俺たちはグーグルだ、訴えてみろ

「快哉!」という印象のブログによるコメントが多いです。

しかし、こういう法を法とも思わないような態度は、革新的なことを行うには必要な態度ですが、他方で危険性も伴うことは注意が必要です。(Google自身がこう言ったわけではないですが)

非常に卑近かつGoogleとはかけ離れた例で申し訳ないですが、個人的には、中学生か高校生のときに読んでショックを受けたAVの村西監督の発言、

「あなたを犯せるためなら刑務所に3年入ります。」

というのを思い出しました。

当時反抗期だった自分は、法や規律は徹底的に反抗するものだと思っていました。ところが、村西監督のこの発言はけっして法を破るとは言っていません。逆に、法に徹底的に従うことで法を裏切ると言っているのです。
こういう確信犯的な法への態度は、反抗してみることしか脳になかった当時の自分にとって非常に斬新に映りました。

Googleもまた、徹底的に法に従いつつ法が守ろうとしているものを壊していこう、というわけです。「法にのっとって訴えられてもいいから私は法を犯します」というように。もちろん、Googleで想定されるケースでは法を犯すかどうか微妙なところで戦われるわけですが。

これは、Googleが正しい方向性を目指しているかぎり、今までの法では対応しきれていないようなよりよい革新に向けての有効な手段となるでしょう。言ってみれば、新しい正義を作り出すわけです。
他方で、万が一、Googleが保身にまわるようなときが来るとき、この態度は最悪のものを生み出すでしょう。

今までアメリカでは、優秀な弁護士の手によって、裕福な犯罪者による極端な刑罰の最小化が繰り返されています。Googleのこの戦略は、間違ってこういう道に走る危険性もないわけではないということです。

なにより、法に逆らうという態度は法の側にとっても対処しやすいものになりますが、逆に、法に従いながらあえて法の目指すところを裏切ってみせるという態度は、法を骨抜きにし無意味化してしまう、法にとっては非常におそろしい態度です。死刑になってもいいから(死刑になりたいから)人を殺すというのが非常に恐ろしい考え方であるのと同じように。

Googleが、"最強の弁護士軍団"をそろえて法を骨抜きにしてしまうというのが、社会的正義に向けて行われることを切に願います。

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