2006年10月4日水曜日

みんなが納得する枠組み作りの難しさ

みんなが納得する枠組み作りというのはほんとうに難しいものです。

クリエイティブ・コモンズ改訂に立ちはだかるGPLと同種の問題

GPLについては、GPLの新しいバージョンに対してLinus Torvaldsさんを中心にGPLv2を適用してきたLinux陣営が反発しているようです。
ちなみに、LinuxはGPLv2で運用されています。

「GPLv3は瀕死の状態」--Linuxカーネルプログラマーの多くが低評価

GPLは主にプログラムについてのかなり強制力の強いライセンスです。
それに対して、クリエイティブ・コモンズは、もっと柔軟に使え、かつもう少し幅広くコンテンツに対しても使えるライセンスです。

このクリエイティブ・コモンズについても、各所から異論が出ているようで、とくにDebianグループからこれではDebianには適用できないという意見が出ているようです。そのため、クリエイティブ・コモンズ陣営との会合が持たれたようですが、けっきょく事実上の物別れになったとか。

GPLと違って、クリエイティブ・コモンズはかなり柔軟かつシンプルに考えられるようにできているので、みんなが納得しやすいものだとは思うのですが、それでも異論は出てきます。

全員が納得するものを作るのは、人類の長い歴史を見ても明らかに不可能なので、なるべく時代に即した多くの人が納得できるものを地道に作っていくということになるのでしょう。

そのあたりの調整が、ものづくりのインフラを整備するにあたってもっとも難しいところです。

クリエイティブ・コモンズのすごいところは、そういう非常に手間のかかる整備作業を、国に任せたりせず、1人(レッシング教授)を中心にいろいろな有志が集まって進めているところです。

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