2006年10月27日金曜日

日本ヤバい、日本から逃げろ、という意見

日本と韓国のITベンチャーを比較してみる

韓国のITベンチャーといっしょに仕事をされていて彼らの熱気に対して非常に日本人として危機感を感じておられる記事です。
自分も最近、中国の人といっしょに仕事をして、そういう危機感を感じたりもします。

が、結論がどうして「今後本気でITベンチャー界に飛び込みたいと思っている人は今のうちから日本から脱出する手段を身に着けておいたほうがよいかもしれないです。」となるかは???です。
それくらい危機感を感じている、ということなのでしょうが。

でも、そう感じる人がとくに若い人には多い気がします(自分も年寄りではないつもりですが)。

どうして、「だから、負けないように日本でもっとがんばろう」にならないのか。どうして「日本から逃げろ」になるのでしょうか。
日本がつまらない国だから?
世界のどこの国と比べても経済的に発展し、格差が広がったとはいえ世界の国の中では圧倒的に貧困がなく、最近物騒になってきたとはいえ安全な国なのに?

ないものねだりではないのか。それともやっぱり日本は脱出すべき価値のない国なのか。

ちなみに、自分は、韓国でも中国でもアメリカでも日本外に出て行って活躍してやろうということに対しては大賛成です。そういう心意気の人にはぜひがんばっていただきたい。
反対に、(きつい言い方をすると)日本から逃げていった人が逃げた先で逃げずに成功できるのだろうか?と思ったりもします。
同じ行動でも心意気の違いでずいぶん違ったものになる気がします。

あと、もう1点。
これは、自分も若いときにはなかなか理解できないというか、わざと理解したくなかったですが(重ねて、自分は年寄りではないつもりです)、やっぱり自分をここまで育ててくれたのは家族や社会、ひいては日本なのです。
たとえば、世界の最貧国に生まれていたらはたして今の自分はあったのか。世界の紛争国に生まれていたらどうか。
偶然日本に生まれたにすぎませんが、その偶然を尊重して感謝する気持ちは重要と思います。自分の親世代や先祖が、長い時間をかけて文化と体制を作ってきてくれたこと。そうしたことにも敬意を払う必要があります。それが健全な愛国心にもつながっていくと(愛国心なんてあらためて主張しなくてもよいと思いますが)。
さんざん日本のメリットを享受しておきながら、「じゃあ、そろそろヤバいから逃げるか」では人としてどうなのか、と。
もちろん、日本と心中せよなんて毛頭言うつもりはなく、日本から逃げることも選択肢の1つとしてもっていてもいいとは思いますが。

いずれにせよ、(日本でもなんでも)社会というものをもっと意識して、社会のために自分に何ができるのか?ということをほんの少しでも意識しているのは重要なことと思います。
まずは海外で自分の能力と利益を最大限伸ばしてやろうという場合でも、どこかで日本の社会や活躍した国の社会を意識しておくのは重要だと思います。
その意識がないと、どこが一番得かなぁ?ということばかり追っかけて本当のものづくりはできなくなってしまうでしょう。
他方で、たしかにもっとも得な場所を見つけるという戦略意識も重要です。バランスが重要。というか、戦略的にもっとも利益があがるところを目指しつつどこかで社会についても考えておく必要があるということでしょう。

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