忙しくてちょっと更新できていませんでした。この間も書きたいネタはたくさんあったのですが。。。
数日前になりますが、池田信夫blogに、梅田望夫さんの最新著作に対する批判記事がありました。
池田信夫blog:「ウェブ時代をゆく」
批判自体はおいておくとして、ここで興味深い関連が指摘されていました。
1976年世代。
梅田望夫さんが、これからのIT時代の日本を背負いうる人たちと期待して名付けられている世代です。ぎりぎり団塊ジュニアかその直後くらいの世代ですね。
この世代の人たちが、今ベンチャーを起こし、新しい風を日本に吹き込んでいるというものです。
他方で、最近しばしば池田信夫blogに引用されている赤木智弘さんの書いた本(論考)が評判を生んでいます。赤木さんは、まさに1976年世代(の前後)です。
池田信夫blog:「丸山眞男をひっぱたけ」
就職氷河期に就職できなかった32歳フリーターの赤木さんは、この論考でまっとうな論理で戦争を期待しかねない状況を説明し話題を呼んでいます。
2000年前後の就職氷河期は、企業が既存の正社員を保護して派遣社員を増やし新卒採用を控えた時期です。その結果、ちょうどこの時期に新卒だった若者たちが、たとえ優秀だったとしても大量に職からあぶれました。
今まで通り新卒を採用してくれるか、あるいは既存正社員も含めて労働者の流動化が進めばよかったのですが、既存正社員だけが保護されていわば新卒の若者が見殺しにされてしまったかたちになります。そして、その数年後、いまやバブル期に迫る新卒売り手市場となっています。
1976年世代は、かたやベンチャー起業家、かたやフリーターという二極分割となってしまっています。
大人は、怠け者の若者がフリーターとなってると批判するが、これは構造的な問題であってわれわれ若者はその犠牲者だ、というのが赤木さんの論旨となります。
その上で、日本の戦後最大の知識人の一人、丸山眞男が徴兵されたときに中卒の上官にひっぱたかれたことを述懐していることを引用して、今戦争が起これば、自分にも一発逆転のチャンスがあるのに(フリーターの自分がベンチャー起業家や一流企業サラリーマンをひっぱたける)、と期待しているというものになります。
戦争を期待しているという部分は本心ではないと思いますが、今のフリーターの問題が、終身雇用が崩壊したにもかかわらず労働者の流動化が進んでいないという構造的問題なのだという指摘は重要です。戻すか進めるかするか、あるいはこの問題の保護策を社会的に講じないと、後々にいたるまで大きな社会的遺恨として残りかねないのでしょうか。
私もちょうど団塊ジュニア世代ですが、われわれの世代に課されてしまったたくさんの課題のうちの1つです。
2007年11月11日日曜日
団塊ジュニア世代が抱えた負の遺産
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