2007年10月5日金曜日

インド洋沖給油活動の課題

「海自給油新法」が越年となった場合の危機
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/y/79/

のように、テロ特措法廃止は日本の国際貢献の評判を下げるものだという話が多いですが。

先週末、朝まで生テレビを見たところ、メリット/デメリットを考えることができる意見がいろいろ出ていたのでメモしておきます。まとまっていませんが。

■割のよい国際活動

* インド洋沖給油活動は、自衛隊員の命の危険をさらすことなく国際貢献できる非常に"割のよい"国際活動である


■撤退する場合

* 国際社会から非難される、もしくは評価が下がるという意見もあるが、、、
* インド洋沖給油活動は当初数十カ国で始まったがどんどん参加国が減っていき今は数カ国となっている
* 日本の給油活動は日本でしかできないような活動ではない(高度な技術力などは使用していない)
* したがって、今日本が撤退しても給油活動自体にはそれほど大きな影響はないし非難されることもないという話もある


■国連と国際貢献

* インド洋沖給油活動は、もともと国連決議を経ていない活動である。先日の国連決議でもロシアが棄権するなど本来の意味での国連活動とは言えない
* とはいうものの、実際問題そもそも国連で解決できている国際問題は少なく、国連内に腐敗も横行している。そのためピュアに国連原理主義でいることがどれだけ国際的正義を実現しているかは疑問
* 国連原理主義の立場を取るのであれば、インド洋から撤退する代わりに国連決議によるアフがニンスタン内陸部の活動に自衛隊を派遣する必要が出てくる。この作戦は非常に危険を伴うものであり、ドイツ等各国も撤退したがっているということもある
* 小沢民主党が国連主義を貫きアフガン内陸に自衛隊を派遣すれば、自衛隊員の客死も出る可能性が高まり国内世論の反発は強まると予想される


■活動の疑惑と日本政府のインテリジェンス

* インド洋沖給油活動での石油はイラク作戦に使われていた可能性がきわめて高い
* もっと問題なのは、日本の外務省はじめ政府が、その事実をいっさい把握できておらず、日本の軍事活動、国際活動に対して説明責任を果たせていない。NPOの調査による実態と日本政府が把握しているものに大きな差がある



国際社会から非難うんぬんというより、自国政府が把握できていないような軍事活動(兵站とはいえ)を軍隊に実行させていてよいのか、シビリアンコントロール(文民統制)から外れるのではないか、ということの方が問題かもしれません。
他方で、国連原理主義は原理としてはわかりやすくてよいのですが、実際により危険な国連活動で自衛隊員に死者が出ると日本の政府はもつのか、そこまで日本国民に国連主義のコンセンサスがあるのかという問題もあると思います。

いずれにせよ、自衛隊という事実上の軍隊に対して、きちんとした活動のポリシーの確立とそのコントロールができることが、何にも増して重要な課題のように思えます。

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