『反西洋思想』I・ブルマ、A・マルガリート、2004
堀田江里訳、新潮新書、2006
戦前日本の「近代の超克」から特攻隊、ナチズム、ポルポト、マオイズム、イスラム原理主義、といったものを"反西洋思想"としてまとめて、西洋を敵視する勢力が見る西洋像を"オクシデンタリズム"として類型化し、その源流を西洋自体、西洋啓蒙主義自体に見ていくという試みです。
西洋啓蒙主義は、人間中心主義で文明化を押し進めつつ、他方で「自然へ帰れ」(ルソー)と言ってみたり、反文明的な側面も持つものでした。
で、この本でまとめられていることは、たしかにそのとおりだとは思うのですが、、、
この手のものを十把一絡げにしてなにか問題の解決に役立つのかというとあまり役には立たないのではないか、と。
なにより、実際を知らないお前がいうな(著者はアメリカ人)という反発を招くだけな気はします。
が、だれかがこういう仕事をしなくてはいけなくて、今後の参照基点(悪い見本かいい見本かは別として)としては役に立つものなのかもしれません。
2007年5月15日火曜日
オクシデンタリズムと十把一絡げにしても・・・:『反西洋思想』
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