2009年7月7日火曜日

改正著作権法による国会図書館のデジタルアーカイブ化

DIAMOND ONLINE:グーグル和解問題を国会図書館の動きから考える

先週の記事ですが。
改正著作権法が6月12日に成立しました。

違法ダウンロードばかりが焦点あたっていますが、国会図書館の蔵書のデジタルアーカイブ化というのも大きな話です。百数十億円の予算もついたようです。

かたつむりは電子図書館の夢をみるか:国会図書館が蔵書90万冊以上をデジタル化?!

骨董通り法律事務所:「著作権法改正案の概要(第1回)」


まだ国会図書館内での閲覧しかできず、1968年以前に出版されたものが対象で、主に原資料の劣化防止が目的のようですが、それでも「国民ができるだけ幅広くこれにアクセスすることができるようにする,いわゆるアーカイブ事業の円滑化を図る一環」という法律の目的のとおり、これが広くアクセスできるようになればいいですね。

アメリカでは民間企業であるGoogleが、Google Booksというかたちで訴訟を戦いつつ同様のデジタルアーカイブを進めていますが、日本では一部難航しています。国会図書館という大義であれば、その部分も民間企業がやるよりは進めるかもしれません。
逆に、いろいろ配慮しすぎて数百億かけてほとんど使えないものを作り上げてしまう可能性もあるわけですが。そもそも90万冊のスキャンに百数十億円も必要なのか?というのもありますし(人件費月100万円の200人が1年かかっても24億円)。

実際に、現国会図書館館長の長尾さんは、新刊本含めてデジタル化し、外部の「電子出版物流通センター」経由で有料/広告料でアクセスできるようにすることも視野に入れているようです。まだまだ法律改正等必要で長い道のりはありますが期待はできます。

英語が普遍語となる時代に日本語の価値とは何か」にも書いたとおり、英語が普遍語化する時代においての世界の言語の多様性のためにも、日本語で書かれたものを誰でもアクセスできるようにすることは非常に重要です。国会図書館内だけではなく、公共図書館の端末だけでもなく、ほんとは世界中からアクセスできるようにした方がいいですね。
今話題の「アニメの殿堂」も、作品の展示という観点よりも、国会図書館のデジタルアーカイブ化の中で誰でもアクセスしやすくするようにした方がより効果的なんじゃないでしょうか。(もっとも1968年以前という条件でほとんど引っかかってしまいますが)

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